現代美術用語辞典

アクアチントAquatint/ Acquatinte

銅版画の技法。線を刻むエッチングに対して、防蝕ニスをほどこした銅板に塩や砂糖(暗地用)、樹脂粉末(明地用)でスパッタリング状の面を作って腐蝕させることで細かな色面を作り、より柔らかな明暗効果を生む。17世紀にオランダで開発され、18世紀にドローイングの複製制作への要望から普及した。18世紀後半にはリトグラフの開発により複製技術としては下火となるが、ゴヤが表現手段として用いたことで19世紀のドラクロワや印象派、象徴主義の画家へと受け継がれ、M・クリンガーなどが優れた作品を生み出した。
20世紀になってフランスの版画工房主R・ラクリエールがカラー技術を開発し、P・ピカソやG・ルオーがこれを導入する。1970年代以降抽象表現に使用されるケースが増加し、最近ではD・ホックニーやG・リヒターといった作家が代表例として挙げられるほか、商業印刷等でもフォトメカニカル印刷として使用されている。
(三本松倫代)

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