現代アートのツボがわかる日本初(!?)の超マンガコラム!..." />

2010.06.08
十和田市現代美術館に展示されている『スタンディング・ウーマン』(2008年)。 Courtesy Anthony d’Offay, London Photo courtesy:Mami Iwasaki
女性彫刻の足元にいる実際の人間のサイズと比べれば、一目瞭然。ロン・ミュエクは少年像「ボーイ」など、これよりもっと巨大な彫刻もかつて発表している。しかし「彫刻」と呼ぶにはあまりにリアル。近づいてみると皮膚に青く血管が浮かんでいたり、筋肉が浮き出ていたり、目の下にくまがあったり……。
ついサイズのことを忘れ、体温のある本物の人間と対峙しているかのような戸惑いさえ覚える。彼の作品がすごいのは、どれだけじっと見つめていても、「なんだ、やっぱりつくりものだ」という感じがまったく漂ってこないこと。それほどまでにリアルなのだ。
彼はこうした巨大彫刻だけでなく、縮小化した中年男性の像など、小さな作品も多々残している。まるでサイズを変化させることで、わたしたちの心に感情の波をもたらしているかのよう。
サイズを変えることによって異様さを醸し出しながら、どこか滑稽で悲しみが漂うロン・ミュエクの彫刻。「スタンディング・ウーマン」は青森県の十和田市現代美術館で実物を見ることができる。ぜひそのスケールを体感してほしい。
(原案/文・大輪俊江 イラスト・風間勇人)