Title:Paradox Wave #1
2021/9/16
…東日本大震災の直後に私は鬱病と診断された。鬱の自分と躁の自分の落差が激しく、一体どちらが本当の自分なのか悩む日々が続いた。しかし、自分という一つの体の中に「多様な自分がいてもいい」と認められるようになったとき、生き方を掴み前に進めるようになった。この経験を基に「異質なものを認める寛容さの重要性」を伝えたい。
…震災後、私の精神だけでなく社会の二極化も深刻になった。世の中が複雑に進化する一方で、価値観の多様性を認められず対立するニュースが増えている。昨年から流行し始めた新型コロナウイルスは目には見えない格差や分断を炙り出し、議論を起こしている。
…フルイドアートとはアクリル絵具、ポーリングメディウム、シリコンオイル、水を混ぜた絵具を流して描画する技法である。色相環で真逆に位置する補色の絵具は人間関係のようにグラデーションや境界線を作りながら、バランスの象徴である「0(ゼロ)」を描いている。水と油/補色/意識と無意識など、「相反する要素が共存する作品」は、鬱と躁という矛盾を抱えたまま生きる私自身の姿であり、異なる性質を持つものが共生する社会の在り方を表している。
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