Title:岩礁 #1
2022/11/2
日本は細長い島国なので、どの地方にも砂地と岩礁が交互に現れる海岸があり、緩やかであったり時に激しい「波」が打ち寄せます。波は正に「生々流転」。風によって海で生まれ、陸に近付くに連れて大きくなり、岩礁によって砕け散ります。「移りゆくもの」「儚さ」「死生観」を表す「無常」の美があります。そして波に削られた荒々しい岩には「時間の経過とともに劣化したさま」である「寂び」があります。
荒天の岩礁では一見すると大きな波が主役で目を引きます。しかし時折見える岩をじっくりと注視していると、その形がくっきりと見え始め、逆に波を意識しなくなります。そして滝と同じように静寂に包まれる不思議な感覚になります。それは現実と異世界を行き来する正に「幽玄」の感覚です。私はNDフィルターを用いた超長時間露光でその感覚を再現しています。不動の岩は動かずクッキリとその姿を表し、そこに激しく打ち付ける波は重なり合って霧のように表現できます。「移ろいを重ね合わせて静寂となす」と同時に「ミニマリズム」を表現するものでもあります。
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