Title:金魚
2023/1/20
1年に一度の待ちに待った夏祭り。
辺りは真っ赤に染まる陽の沈む頃
大好きな祖父の大きな手をしっかり握る幼い私がいる。
私にとって難しい夏祭りへの道のりは沢山の人の歩く列が目印だった。
やがて夕焼けと祭りの提灯の灯りが祖父の横顔を照らし私の心はもう弾けそう。
私のお目当ては金魚すくい。
私の体より大きな手作り水槽にたっぷりの水が入れられて提灯の灯りでキラキラ揺れて私の瞳も絶好調に揺れている。
そこにはたくさんの金魚の群れが色鮮やかにゆらゆらゆらゆら
削げ落とし私の自律神経を刺激する好きなものだけ記憶の印画紙に焼き付ける。
鮮明な色。
郡を成す色の重なり。
それはシンプルだけど意味深いシンボライズされたものだった。
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