Title:Bright Eyes ブライトアイズ
2024/9/12
ウォーターシップダウンのうさぎたちで、主人公が生死を彷徨う時、明るく流れる挿入歌は、天国の本当の姿を見せてくれる。言葉のないウサギや猫が見る天国は、賛美も戒律も経典もなく温かい光だけの世界だからだ。
並外れて愛情が溢れるソラは、その全てを大好きな母へ、惜しみなく注いだ。いよいよその時が来たとわかったソラは、じっと母を見た。「こうやって逝くんだよ」と語るその目を静かに閉じ、眠りについたという。母はソラが教えてくれたから、逝くのが楽しみになった、と軽やかに語る。どんな形でも出会った猫とは、永遠に別れることがないと、私はこの母娘から学んだ。
猫描きを始めた時、ソラの視線を描きたいと探したが、フィルム写真には残っていない。写真の猫は江戸時代の庶民のように、魂を抜き取られると思い、固まっている。虚空に呼びかけると、忽ちペンの先に現れたソラは、みるみるうちに、見覚えのある視線を向けてきた。矛先は母だけではなかったのだ。受け止める心があれば届く愛を、ソラは分け隔てなく、今でも発信し続けている。
不適切なコメント、またはスパムとして報告しますか?
不適切なコメント、またはスパムとして報告されたコメントArtgeneスタッフが削除する場合がございます。
報告する 閉じる